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コラム・インタビュー

ブロックチェーンのイノベーションを、新しい金融サービスに繋げる

マネーフォワードフィナンシャル株式会社 代表取締役社長

神田 潤一 氏 インタビュー

インタビュー 2018年8月20日 投稿

ブロックチェーン・仮想通貨の普及と実用化を目指して設立された、マネーフォワードフィナンシャル株式会社。代表取締役に就任された神田潤一氏に、日銀から仮想通貨ベンチャー企業へ転職した異色の経歴から、同社の仮想通貨事業の展望などについてお話を伺いました。

マネーフォワードフィナンシャル株式会社 代表取締役社長
神田 潤一 氏

東京大学経済学部卒。米イェール大学より修士号取得。1994年日本銀行に入行、金融機構局で金融機関のモニタリング・考査などを担当。2015年8月から2017年6月まで金融庁に出向し、総務企画局 企画課 信用制度参事官室 企画官として、日本の決済制度・インフラの高度化やフィンテックに関連する調査・政策企画に従事。2017年9月から現職。

インベストコア株式会社 代表取締役社長CEO
伊藤 慎佐仁

株式会社三菱銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)で為替資金部などに勤務後、ソフトバンク株式会社の財務部にて大型の資金調達などに従事。SBIホールディングス株式会社の取締役常務執行役員、ヤフーグループのワイジェイFX株式会社の代表取締役社長CEOなどを歴任。2016年には社会的インパクト投資を実践するネクストシフト株式会社を創業。インターネット金融の黎明期から関わり、銀行・証券・保険・住宅ローン・FX・投資助言業など幅広い金融事業に従事してきた。これまで、上場企業2社で代表取締役、上場企業3社で取締役。現在は、社会的インパクト投資やブロックチェーンなどフィンテックに幅広く関わっている。

資産としての仮想通貨、購入から納税までをサポートしたい

他にも、今考えられているサービスでご紹介いただけるものがあれば教えてください。

既存のサービスとのシナジーという点も、ユーザーのニーズが強いところであると思っています。既存の仮想通貨取引所とのデータの連携はそのひとつになりますし、仮想通貨の損益計算や、税金の申告が面倒だということは、去年から色々なユーザーからご意見をいただいていました。
損益計算や税務計算のためのツールを出している税理士法人と連携し、計算した結果を、私どもがすでに出しているMFクラウドシリーズの確定申告に入力していただくと、確定申告が非常に便利にできるようになる、といったサービスを提供したいと考えています。
そうすることで、仮想通貨を知っていただくところから、持つ、使う、さらに資産として管理し、税金を支払う、という一連の流れをサポートするサービスを届けていきたいと思っています。

個人の場合、仮想通貨は雑所得ということになりますが、売買での損益を計算するのは分かりやすくても、使用した時の税金が課税されるという面ではとても分かりにくい印象があります。そういったものもサポートされるのでしょうか?

アプリの計算ツールで分かりやすく確認できる機能は検討しています。また、現在は雑所得という形で大きな税金を払わなければならない体系になっていますが、仮想通貨そのものが決済に使われていくようになると、その用途に合わせて税金のあり方が問われていくと思います。それに対しての議論は、業界全体として考えていくように働きかけていく必要があるんだろうな、という問題意識も持っています。
税の問題でいえば、2017年の金融庁、あるいは国税庁の対応は非常に早かったと思っています。今、仮想通貨をきちんと決済の手段として資金決済法で位置付け、消費税の対象外にして、という思想のなかで進めて頂いているので、それにあったサービスを届けていく予定です。そういった流れが広がっていく中で、税金のあり方も見直していくというのが望ましいと思いますし、そのフィードバックを政府ともやりとりしていく必要があると思っています。

仮想通貨業界では、税金面での融通を訴えかけていこう、というような動きはあるのでしょうか?

私どもは、まだ具体的にビジネスも立ち上げたばかりで、業界の団体にも入っていません。ただ、これから参入される大手も含め、仮想通貨に取り組もうとする企業は、サービスの展開を考えた時に同じような問題意識をもたれるのではないでしょうか。
業界全体としても、安心して使って頂くためには必要な働きかけになってくると思っています。

マネーフォワードユーザーの「仮想通貨に対する期待」に勇気をもらった

仮想通貨に関してマネーフォワードのユーザーから上がった声としては、期待などを含めてどのようなものがあったのでしょうか。

今まで仮想通貨の取引をしていたという経験のある方々に対して、「今年は去年と比べてどういうスタンスで臨みますか」というアンケートを取ったところ、去年以上に取引を行うという方が4割近くいらしゃいました。去年と同じくらい取引を行う、という方も4割を超えていて、8割を超える方が、去年と同じか、それ以上に取引をしたい、と思っていらっしゃることが分かったのです。
確かに価格も下がっていますし、コインチェックの事件もありましたが、まだまだ非常に関心が高くて、むしろこれから盛り上がっていくということがアンケート結果に現れたのは、私どもとしても、とても勇気を頂きました。
「どういった点に期待をして仮想通貨の取引をしようとしているのか」という項目に関しても、「決済・送金に利用するため」という回答が3割程度、「ブロックチェーン技術の将来性を感じて取引をしたい」という人が5割近くいらっしゃったんです。皆さんすごく期待されているということが分かりました。
仮想通貨の決済・送金はもちろん、その先のブロックチェーンによるイノベーションをしっかりと新しい金融サービスにつなげていくというのも、我々の使命だろうと思っています。

ブロックチェーン技術に対して、不動産取引や金融取引など様々なシーンで利用される期待がありますが、具体的な利用方法や、利用者にとってのメリットについて考えられていることがあれば教えてください。

金融庁の時からブロックチェーンに関する取り組みをサポートする中で、本当に色々な可能性を秘めている技術だと考えてきました。一方で、現実のサービスに落とし込むときに、まだまだ実現できる分野は広くない、あるいは性能が十分ではないことは、おそらく他の事業者さんも今感じていらっしゃる通りで、それがユースケースが広がらない背景であると思います。
ですが、仮想通貨やブロックチェーンの分野がこれだけ注目され、人もお金もどんどん集まってきている状況です。この状況が続けば、きっと数年以内にどんどんイノベーションが起き、新しいサービスが出てくる、また技術的な課題がどんどん解消されていくと思っています。
もうひとつは、ブロックチェーンのメリットに合わせて、新しい金融サービスを生み出していく工夫が必要であると思います。それは今の金融サービスをブロックチェーンに置き換えることではなく、新しい発想で、「ブロックチェーンをベースに、ゼロからサービスを作る」必要があるのだと思います。
マネーフォワードは、この仮想通貨の世界で決済・送金の機能を提供する中で、ブロックチェーンも当然利用する、あるいはそのブロックチェーンのイノベーションを私どものサービスにも取り込んでいくことになると思いますので、その中でどんなサービスがあり得るのかを、その技術の変革に合わせてゼロベースで考えていく使命があるのではないかと思っています。

マネーフォーワードの仮想通貨交換所ではセキュリティを重視されるとのことですが、その人材や技術的なバックグラウンドについて教えてください。

マネーフォワードには、金融機関や証券会社の出身者、FXや証券会社のシステムを作ってきた人材が経営陣の中枢にいます。これまでの既存の金融機関の考え方、リスク管理レベルをしっかりと踏まえ、実際に作ってきた経験のある人材のもとで、ユーザーに安心できるサービスを届けてきたので、それを仮想通貨のビジネスでもしっかりと実現していこうと思っています。実際に、仮想通貨取引所のシステムを構築してきたスタッフがしっかりとチームに入っています。
ブロックチェーンのエンジニアについてはこれからの課題だと思っています。我々のミッションやビジョンに共鳴できるエンジニアが必要ですので、外部からそうした人材を採用するとともに、社内での育成にも取り組みたいと思っています。
また、やはり海外にはブロックチェーンのエンジニアが比較的多くいると聞いていますので、そうしたリソースを取り込む、あるいは連携する中で、レベルの高いエンジニアのチームを作っていく必要があると考えています。

目指していくべき将来は「お金を持つことを意識しない世界」

日本国内で電子マネーなどを含めたキャッシュレスの決済手段は中国ほど広がらない理由について、神田さんのお考えをお聞かせください。

いくつか要因が言われていますが、日本国内では銀行券の使い勝手が良いことがあると思います。偽札も少なく綺麗ですし、銀行やATMが近くに多くあるので、日常的に使うことに不自由がないのでしょう。これは日銀にいた人間としては嬉しい限りですが、一方で事象者側が囲い込みという形にこだわり、仕様を標準化したり、あるいは互換性を高める取り組みがあまりできていないとも感じます。
さらに電子マネーの利便性がそこまで高くないという面があります。読み取り機器がそれぞれ異なるため、コンビニの中に同じような機器を何個も置いたり、新しい電子マネーに対応するために機器を更新したりする問題は、うまく解決に向かって進めていません。そうした問題について業界全体として統一や標準化することは、拡大のためのひとつのキーになるのかもしれません。

神田社長の個人的なイメージとして、ブロックチェーンのイノベーションが今後起こるとしたら、どのようなことが予想されますか?

お金を持っている、あるいはお金を使っていることを意識せず生活できるような世界は、将来的に目指していくべき方向性だと思います。
事業に例えるなら、色々な銀行口座や電子マネーを持っているけど、アプローチは顔認証などで知らないうちに済んでいて、コンビニに入ったらそこで一番メリットのある電子マネーやクレジットカードなどを自動でマネーフォワードのアプリが選択し、支払ってしまう感じでしょうか。そうなると、何を買っていくら支払ったのか意識しなくても、マネーフォワードに任せておけば全て最適なものを選んでくれる。ある銀行口座の残高が不足したら、残高が多いところから期日に合わせてマネーフォワードが移してくれる、そんなものが作れたら面白いでしょうね。

最後に、仮想通貨を投資や、決済の手段として使おうとされている方々にメッセージをお願いいたします。

仮想通貨は規制の面や、価格の下落など、少し厳しい状況ではあります。しかし、この業界には、これからも色々な大手企業が参入し、様々なサービスが提案されていきます。まさにこれから仮想通貨のポジティブで新しい展開がおこるタイミングになっていくと思っています。
規制もしっかりと見直されて、安心して取引いただける環境で、仮想通貨で新しいイノベーション・新しいサービスがどんどん出てくるでしょう。私どももしっかりとそこでプレゼンスを発揮できるよう頑張っていきたいと思っておりますので、期待していただきたいと思います。

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