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コラム・インタビュー

「お金のあり方を変える」、マネーフォワードと仮想通貨のシナジー

マネーフォワードフィナンシャル株式会社 代表取締役社長

神田 潤一 氏 インタビュー

インタビュー 2018年8月12日 投稿

ブロックチェーン・仮想通貨の普及と実用化を目指して設立された、マネーフォワードフィナンシャル株式会社。代表取締役に就任された神田潤一氏に、日銀から仮想通貨ベンチャー企業へ転職した異色の経歴から、同社の仮想通貨事業の展望などについてお話を伺いました。

マネーフォワードフィナンシャル株式会社 代表取締役社長
神田 潤一 氏

東京大学経済学部卒。米イェール大学より修士号取得。1994年日本銀行に入行、金融機構局で金融機関のモニタリング・考査などを担当。2015年8月から2017年6月まで金融庁に出向し、総務企画局 企画課 信用制度参事官室 企画官として、日本の決済制度・インフラの高度化やフィンテックに関連する調査・政策企画に従事。2017年9月から現職。

インベストコア株式会社 代表取締役社長CEO
伊藤 慎佐仁

株式会社三菱銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)で為替資金部などに勤務後、ソフトバンク株式会社の財務部にて大型の資金調達などに従事。SBIホールディングス株式会社の取締役常務執行役員、ヤフーグループのワイジェイFX株式会社の代表取締役社長CEOなどを歴任。2016年には社会的インパクト投資を実践するネクストシフト株式会社を創業。インターネット金融の黎明期から関わり、銀行・証券・保険・住宅ローン・FX・投資助言業など幅広い金融事業に従事してきた。これまで、上場企業2社で代表取締役、上場企業3社で取締役。現在は、社会的インパクト投資やブロックチェーンなどフィンテックに幅広く関わっている。

フィンテックの可能性に触れ、日銀から仮想通貨ベンチャーへ

神田社長は、もともと日銀にいらっしゃったということですが、マネーフォワードにはどのような経緯で入社されたのでしょうか?

日銀に23年勤務し、最後の2年間は金融庁への出向で、フィンテック関連の企業を担当しました。日銀では、手堅くリスクを取らないやり方を見てきたのですが、フィンテックに触れたことで、「金融が大きく変わっていくのでは」ということをとても強く感じました。
2年間の出向を終えて日銀に戻ることになった時に、この業界の将来が凄く気になったんです。自分が今まで金融庁でやってきた事と、これから自分がやれるかもしれない事を考えた時に、この新しい世界でみんなと一緒にチャレンジしたいという気持ちが強くなり、マネーフォワードへの転職を決めました。

辻社長と元々から面識はおありだったのでしょうか?神田さんがそのお話をされた時、辻社長は驚かれませんでしたか?

辻とは金融庁の時から何度も会い、親しくさせてもらいました。
興味を持っていた幾つかの企業の中でも、辻が見ている先の世界は、すごくチャレンジングだったので、マネーフォワードでなら一緒に面白いことが出来るんじゃないか、と感じていました。
転職については驚かれたと思います。日銀を辞めてフィンテックの世界に入るとか、あるいは金融庁の幹部がフィンテックの世界に転じる事は、珍しかったと思います。日銀に戻って今まで通り仕事するんだろうなと思っていましたので、決断した自分が自分自身にビックリしたところはあります。
妻には大反対されて、そこが一番大変でした。

周囲の反応はどうでしたか?

業界の人たちも、同僚や同期もとても驚いていました。
でも、私に近い人ほど、「なるほど」という印象を持っていたように思います。その決断に対しては、意外と、『ああ、やっぱりそうなのか』あるいは、『聞いてみると確かにそうだよね』という反応が多かったのは嬉しかったですね。

日銀では、退職後に大学教授になられている方とか、色々な方がいらっしゃると思います。役職も給与も上がるタイミングに退職されたことには、ほかにも、もっと強い理由などがあったのでしょうか?

仮想通貨業界の変化の早さを感じていましたし、メガバンクの統合が進み、10幾つあったのが3つになったように、金融自体が「ずっと安泰ではない」という世界を見てきました。同様に、日銀だけが安泰でいられるというものでもないな、と感じていたんです。
また、金融の世界にいた友人もそうですが、特にフィンテックで一緒に仕事をしたり起業された人たちは、すごく自然に、そういう人生の歩み方をされていたのを見ていたんです。
そういった人たちと触れ合ううちに、「時代の変化に合わせて自分が面白いと思った方に進みたい」という気持ちが、凄く強くなったというのはあると思います。

仮想通貨業界に身を転じて感じられたことを教えてください。

スピードの速さを感じます。新事業の立ち上げや環境の変化など、様々な情報をキャッチアップして対応するために、自分の中のギアを変える必要があると思っています。
また、思っていた以上の面白さも感じています。外から見ているよりも、自分が実際に事業を立ち上げる立場で仕事が出来るのは、すごく楽しいですね。

仮想通貨交換所の開設は、マネーフォワードのバリューになる

仮想通貨交換所の開設を目指していらっしゃいますが、そこに至った経緯をお聞かせください。

ユーザーにさらに便利な金融体験を提供していくことは、マネーフォワードとしてのバリューでもあります。その意味で、新しいテクノロジーの可能性に着目し、まずは仮想通貨を持つことができる機能を提供する必要があると考え、交換所を立ち上げることになりました。
検討するにあたっては、現在マネーフォワードが提供している、自動家計簿・資産管理アプリと、法人向けバックオフィスツール「MFクラウドシリーズ」のユーザーに、仮想通貨に関するアンケートを実施しました。というのも、現状、仮想通貨は投機的に売買されていて、その中ですごく儲かる人もいれば損する人もいるという世界観は、今までマネーフォワードが提供してきた世界観とは違うのではないかと考えたからです。
既存ユーザーに、マネーフォワードが提供する価値を高く評価して頂けているというのは、これから作っていく仮想通貨・ブロックチェーンのビジネスでも大切にしていこうと思っています。

仮想通貨交換所の他にもメディアの立ち上げも予定されていますが、その他の取り組みについて教えてください。

ユーザーが仮想通貨の取引を行う前にどこで立ち止まるのか、についてアンケートを行なった結果、やはり「仮想通貨はセキュリティ面で不安がある」、「価格の乱高下が激しい」というイメージがあることがわかりました。同時に、「どのタイミングで売買していいか分からない」、「どの通貨をどこの取引所で売買すればよいのかわからない」という基礎的なところが足を止める原因になっていることもわかりました。
そこで、仮想通貨そのものや取引所、取引においての注意点、さらに仮想通貨によって広がる世界観などを、最新の動向も含めユーザーに伝え、安心して入ってきていただく入口を作る必要があると考え、メディアを立ち上げることになりました。
将来的には、仮想通貨で友達に送金したり、様々な金融サービスに替えるといった事を、マネーフォワードの既存サービスのような使いやすいアプリなどにして、誰でも気軽に仮想通貨を使えるサービスを提供していきたいと考えているところです。

仮想通貨は投機対象としてのイメージが強く、価格の乱高下などもあり決済に使いにくいという現状があることに関してどうお考えですか?

価格が乱高下していて決済に使いにくい、というのはおっしゃる通りだと思います。価格面に関しては我々がコントロールすることはできませんので、当社の仮想通貨交換所では、技術的なバックグラウンドがしっかりしているもの、比較的一般の皆さんに受け入れられているものを中心に取り扱っていこう、というところがひとつあります。
もうひとつは、決済や送金に利用できる場所やツールを整備していくことによって、仮想通貨の持つ様々なメリットを出していくことは役割の一つなのではないかと思っています。
仮想通貨を持っておこう、仮想通貨を持っていると色々な良いことがある、そういう世界を作ることができれば仮想通貨の価格自体も比較的安定をしていくでしょうし、評価の向上につながると思うので、そんな世界を作っていきたいと思っています。

例えば、今スマートフォンやオンライン上での小口決済ソリューションが色々出てきていますが、そういった機能も持つということでしょうか?

マネーフォワードフィナンシャル、あるいはマネーフォワード自身がそれを持つというところは、まだ優先順位としてはそれほど高くないとは思っています。むしろ、そういう既存のサービスがあることを前提に、それを利用するユーザーが、仮想通貨を便利に払い出せたり、仮想通貨を複数のサービスでシームレスに使える、という連携を作っていくのが、ニーズを満たす一番の近道だと考えています。

マネーフォワードは複数の交換所と提携をしていますが、今後も連携していく方針なのでしょうか?

自動家計簿資・産管理アプリのマネーフォワードで、色々な交換所・取引所の残高、現在の価値の変動を、一元的に見ることができるようになれば、と考えています。
そもそも一元的に見られるというのが、これまでマネーフォワードが提供してきたバリューでもありますし、仮想通貨も一つのアセットクラスとして捉え、利用する方にメリットがある形でデータを提示したいと思っています。

「仮想通貨をハブとして、お金を動かす」機能を提供したい、そしてグローバル展開へ

マネーフォワードアプリの一元管理も含め、交換所の具体的な使い方のイメージについて教えてください。

やはり、発想の出発点として、マネーフォワードというアプリでは、銀行口座やクレジットカードの情報、電子マネーや航空会社のマイルなど、色々な金融サービスのデータが一元的に見られます。すると、次の段階では「ここに貯まっているお金をこっち側に動かしたい」というニーズが出てきます。例えば、「このお金を使って友達に送金したいのだけれど、残高が足りないから、別の口座から不足分の資金をあてたい」といったもの、あるいは投資信託などで、「ここに貯まっているものを入れたい」といったことにも使えるでしょう。そういった「見えているものを動かしたい」というニーズになると思っています。
この「見えているものを動かす」というところは、まだマネーフォワードでは実現はしていませんが、非常に近いところまできていると思っています。
そこに仮想通貨というものが中心にくることで、様々なカードやポイントといったサービスに入れたお金や相当の価値を動かせたり、あるいは銀行口座から仮想通貨に払い込むといったことができるようになれば、仮想通貨がハブになって「お金を動かしていく機能」というものが提供していけるのではないかと思っています。

会員サービスを持つ企業が、今後独自のコインを導入するケースが増える可能性があると思います。そうなれば、そのコインやポイントをシームレスで交換できるサービスの需要が高まると思いますが、そうした動きの取り込みについてお考えはありますか?

色々な電子マネーやポイントを自由に動かせないというのは、ユーザーの悩みでもあると思っていますので、そのように発展をしていきたいとは思っています。
そうなると、その中心に仮想通貨という自由な「価値のプール」があれば、そのニーズに応えていけるのではないかと思っています。

仮想通貨は国を超えて利用できる点も大きな魅力だと思うのですが、グローバルなサービス展開も考えていらっしゃいますか?

はい。仮想通貨ビジネスは海外でも非常に関心が高いですし、海外だからといってプロダクツが大きく変わるものでもないですから、グローバルに展開しやすいビジネスだと思っています。一方でマネーフォワードグループとしても、やはり国内だけではなくて海外に進出をして、海外の成長スピードをグループ内に取り込むという事も、早晩必要になってくると思っています。
直近ではインドとインドネシアのフィンテックの会社に出資も行いました。そのひとつの候補に仮想通貨ビジネスやブロックチェーンビジネスが入ってくる可能性はあると思っています。
2018年5月23日に発表の資料の中に「お金のあり方を変える」というミッションを掲載していますが、その先のビジョン、具体的にどういうことをやっていくのかというところで、“世界中の人々にフリーでフェアな金融サービスを提供する”と掲げています。仮想通貨やブロックチェーンのビジネスでグローバルな展開といえば、海外送金などが非常にイメージしやすいと思います。

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