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コラム・インタビュー

ビットバンク株式会社 代表取締役CEO 廣末紀之さんに聞いた(Vol.6)

ビットバンク株式会社 代表取締役CEO

廣末 紀之 氏 インタビュー

インタビュー 2018年5月22日 投稿

2017年の高騰もまだ記憶に新しい仮想通貨は、まだまだその投機的な側面しか世の中に認知されてきていない、というのが実際です。では、今日本のどんな人たちが、この仮想通貨の本質に気づき、生かそうとしているのでしょうか。いち早くこの可能性に気が付いたからこその第一人者、廣末さんにお話を伺いました。

ビットバンク株式会社 代表取締役CEO
廣末 紀之 氏

野村證券にてキャリアをスタートし、その後 インターネットに魅了されIT系スタートアップの立上げ、経営に長年携わる。GMOインターネット株式会社常務取締役、株式会社ガーラ代表取締役社長、コミューカ株式会社代表取締役社長などを歴任。2012年仮想通貨技術はマネーのインターネットになると確信し、2014年ビットバンク株式会社を創業。ビットバンク株式会社では、仮想通貨取引所以外にも、メディアによる情報発信、産業に従事する人材育成を目的とした教育事業などを手がける。一般社団法人日本仮想通貨事業者協会理事。

インベストコア株式会社 代表取締役社長CEO
伊藤 慎佐仁

株式会社三菱銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)で為替資金部などに勤務後、ソフトバンク株式会社の財務部にて大型の資金調達などに従事。SBIホールディングス株式会社の取締役常務執行役員、ヤフーグループのワイジェイFX株式会社の代表取締役社長CEOなどを歴任。2016年には社会的インパクト投資を実践するネクストシフト株式会社を創業。インターネット金融の黎明期から関わり、銀行・証券・保険・住宅ローン・FX・投資助言業など幅広い金融事業に従事してきた。これまで、上場企業2社で代表取締役、上場企業3社で取締役。現在は、社会的インパクト投資やブロックチェーンなどフィンテックに幅広く関わっている。

「これは革命だ!と思った理由」

 

伊藤
仮想通貨、あるいはブロックチェーンでもいいんですけど、こういった新しい技術の将来性をどう感じてらっしゃるのか、みたいなところも伺いたいんですけど。

 

廣末
今、元々は決済で、マイクロペイメントで、使えるじゃないかってところから始まって、今は金融商品的な位置付けが注目されているのは、ご存知の通りだと思います。

 

伊藤
それで、まず取引所ですよね。

そこからICOであったり、マイニングだとか、いろんなビジネスが派生してきてるんですが、同じような考え方で、今後新しく出てくる仮想通貨やサービスとかビジネスっていうのは、なにか想像されてることありますか。

 

廣末
はい、元々、まずICOに関しては、イーサリアムが最初に2014年7月か8月だと思うんですけど、私も実はそのICO、参加したんです。イーサリアムのコンセプトを見て「これ面白いな」って思ったので、ビットコインを投じてイーサリアムを受け取りました。

これが僕の初めてのICO体験で、その時に一ヶ月に30億円ぐらい、確か彼らは調達していて、僕はこれをみてとんでもない革命だと思ったんです。

なぜかというと、その時僕は証券会社で、特にIPOの実務はやったことはなかったんですけど、それって、今までからすると考えられないワケです。

IPOの申請をやって、監査法人や証券会社と折衝して、膨大な作業をこなして、やっと上場しました、はい2億円調達しました、というものだったのに対して、その点イーサリアムはホワイトペーパーがウェブサイトにあって、もしこれに賛同してくれるのであれば、ビットコインを送ってもらえれば、将来使うことになるだろうイーサリアムを渡します、というものだったんですよね。

それがわずかウェブサイト1枚で2週間で30億を集まった、って事実を見た時に 「これは革命だ!」と思ったんです。

従来の社会フレーム枠でいえば、株式会社っていうような形態であれば直接金融の恩恵を被る仕組みがあるわけですが、これは、プロジェクトや個人という単位でも今までできなかった直接金融の恩恵を被ることができるということになります。

 

伊藤
はいはい。

 

廣末
従来の社会では、そういう直接金融の恩恵を被れない人たちが多く存在していました。

ところが、イーサリアムは会社でなくプロジェクトです。そういう意味では、会社などの組織体ではない、個人やプロジェクトが、グローバルに直接金融の恩恵を被れる仕組みが初めてできた。

 

伊藤
なるほど。

 

廣末
これはもう個人とかプロジェクトって直接金融の手段がないから「じゃあどうするか」ってなると、そういう人は銀行などの間接金融に頼るか、最悪の場合、サラ金に行って借りるしかなったんです。

これしか方法がなかった。

 

伊藤
そうですよね。

 

廣末
これからは、「自分はこういうことをやりたい」「将来これを実現したらこういう風にみんなにお返しするんだ」っていうことを計画するだけで、そんな規模の資金調達ができるわけです。

これは例えば従来の「会社」って形にそぐわない、アーティストや、プロスポーツ選手になる人たちって、一人でやったりすることが多いので法人って形が合わないわけです。

例えば自分の漫画家だったとして、自分の漫画をもっと世に知らしめたいから
漫画を描く環境作ってアシスタントも整備して、もっと色々出したい、だけどお金がない。

 

伊藤
確かに。

 

廣末
ですよね。

こういう形でトークンを発行するのでそれで漫画を読んでください。これ、一種クラウドファンディング的なものでもあるんですけど、クラウドファンディングってだいたい単発的に、その瞬間で関係が途切れちゃうんで、継続して関わるって難しい。でも、これは株式会社を持つ、っていうことと同じですよね。それと同じ効用を、仮想通貨では実現できるわけです。

これは「従来の直接金融の恩恵」を被れないような、いわゆる、プロジェクト単位や個人といった層が、一種の直接金融の恩恵を得られる道が開かれるようになった、という意味でもあります。インターネットの世界で例えると、インターネットができる前は、まさか個人がメディアになるとは誰も考えてなかったと思います。そんな、誰も思ってなかったことが、ウェブサイト一枚でメディアになることができるのと同じインパクトを持ってしまった。

 

伊藤
なるほど。

 

廣末
それと同じ原理だと思うんです。

これからルールができると思いますけど、個人が、ウェブサイトができてメディアになれたと同じように、個人の方でも、そういう直接金融の恩恵を被ったりとか、発行体になれる可能性がある。

これからは個人のプロジェクトでヤフーがスタートしたように、個人プロジェクト単位でそういうような存在が出てくるようになると思う。

 

伊藤
なるほどね。じゃあICOはまだまだ?

 

廣末
全然始まったばかりであって おかしな詐欺業者だとか、単純にお金をゲットしようとする人は淘汰されていくと思うんです。健全にやろうとしてルールがあれば、僕は素晴らしいスキームだと思う。

 

伊藤
健全なICOっていうのは、もう少し具体的にいうと、どんなものになるのか
教えていただいてよろしいですか。

 

廣末
やっぱり、プロジェクトの実現可能性、仮想通貨の設計だとか。

これ、僕だったらですけど、例えばプロジェクト進行に応じて資金調達をさせるとか。進行基準的に。デューデリチェック、それからIRとかみたいな。情報公開とかだとかのルールがきちっとあれば、「会社」という単位でない人たちでも、資金調達ができて活動ができるわけです。僕はこういうルールのセットをちゃんと作った上で、今まで直接金融の恩恵を被れなかった人たちに道を作っていきたいと思ってるんです。

 

伊藤
面白いですね。

 

廣末
これはもう、新しい直接金融市場のマーケットができるのは、僕のなかでは明らかで、これはとてもでかくなっていくと思ってるんです。

 

伊藤
なるほど、では今後の活動、という話でいくと、ICOをもっと深めていく、と。

 

廣末
そうですね。で、これの成功事例がまだ見えてないので、まだ本当の有用性って気づかれないかもしれないですけど、一つでも見えれば状況が変わるきっかけになると思うので、一つでもそういう成功事例を作っていきたいですね。

例えばよくいってたのは、横峯さくらの親父さんが、横峯さくらをプロスポーツ選手みたいにマイクロバスに乗せて試合を転々としていたと。

庭を改装してゴルフ練習場にしたり。
親父さんは、子供をプロに育成するために、相当なご苦労があったのだと思います。
もし今の時代だったら、こんなに才能がある選手だったら、ICOで資金調達をして設備セットを作ってやったりとか、海外でもトップのプロコーチをつけるとかして教育すればいいじゃないか、ということができるわけです。

で、実際にプロになって賞金を稼いだらトークンを持っている人たちにちゃんと分配するから、ってなれば、成立するわけですよね。

要するに、才能を磨くための環境を整えるためにお金を稼ぐスキルを学んで身につけてそしてお金をコツコツ貯めて・・・という無駄な時間をスキップできるんです。

 

伊藤
なるほど、そういうことか。

 

廣末
そういう風に、日本なんて、これから少子化になって行くわけで、将来日本を担う人たちは、単に親の経済力に結びつけるのではなく、社会全体で育てかなきゃ行けないわけで。

今の社会の資本主義の行く末は、正直、格差が拡大してしまうので、そうなると、将来の才能とかっていうのが、親の経済力に紐づいちゃうわけです。これを分配しないといけない。社会でみんなで育てるために、そういう風な仕組みを作ってやる、とか。直近でいうと、奨学ローンなんかが今問題になってますけど、あれもうまい形で仮想通貨化して流動化して、リスクを分散すれば、もっとそういう少額ローンを受けた人たちの負担が減らせるかもしれない。これって投資じゃないですか。日本という単位で見たら。

 

伊藤
確かに、おっしゃる通りですね。

 

廣末
そういった、いい形で仮想通貨を使う。
社会が抱えるリスクを分散をするってことが、僕はできると思ってる。

で、そのルールを、事業者の立場としてうまく定着させたいし、ルール作りをやっていきたいです。

 

伊藤
なるほどなるほど、いいですね。

 

廣末
仮想通貨は、まだ僕のなかではIT革命の時でのいう、「WEBサイトを初めて立ち上げた」だけの状態です。

 

伊藤
なるほど!笑

まだまだこれからだ。

 

廣末
まだまだこんなもんじゃないです。あつく語っちゃった

 

伊藤
いやいやいや、廣末さんから、そういう話を聞きたかったんですよ。

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