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コラム・インタビュー

仮想通貨(暗号資産)の健全な発展を目指す日本仮想通貨交換業協会の役割とは

一般社団法人日本仮想通貨交換業協会 会長
株式会社マネーパートナーズ 代表取締役社長

奥山泰全 氏  インタビュー

インタビュー 2019年10月16日 投稿

一般社団法人日本仮想通貨交換業協会は金融庁から仮想通貨交換業の登録を受けた第一種会員である20社と第二種会員である7社(2019年9月末現在)による自主規制団体。現在、マネーパートナーズ代表取締役社長の奥山氏が会長を務めており、金融庁との調整や会員各社に対しての検査実施や自主規制ルールの徹底などを進めている。今回は会長の奥山泰全氏に、自主規制の概要や今後の協会の取り組みなどについて全2回でご紹介します。


一般社団法人日本仮想通貨交換業協会 会長
株式会社マネーパートナーズ 代表取締役社長 奥山泰全 氏

慶応義塾大学商学部卒。個人投資家から証券会社の役員に就任。2006年に現在の株式会社マネーパートナーズグループ代表取締役に就任(現職)。着任後10ヶ月で新規上場、2013年東証1部に市場替えを果たす。2018年3月より一般社団法人日本仮想通貨交換業協会会長に就任。

インベストコア株式会社 代表取締役社長CEO
伊藤 慎佐仁

株式会社三菱銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)で為替資金部などに勤務後、ソフトバンク株式会社の財務部にて大型の資金調達などに従事。SBIホールディングス株式会社の取締役常務執行役員、ヤフーグループのワイジェイFX株式会社の代表取締役社長CEOなどを歴任。2016年には社会的インパクト投資を実践するネクストシフト株式会社を創業。インターネット金融の黎明期から関わり、銀行・証券・保険・住宅ローン・FX・投資助言業など幅広い金融事業に従事してきた。これまで、上場企業2社で代表取締役、上場企業3社で取締役。現在は、社会的インパクト投資やブロックチェーンなどフィンテックに幅広く関わっている。

会員全体の意思で作り上げる自主規制規則

(伊藤)本日はよろしくお願い致します。早速ですが日本仮想通貨交換業協会の状況についてお伺いできればと思います。協会が無事に自主規制団体に認定され、活動も一定期間経ちますが、業界への定着は進んでいますでしょうか?

(奥山)よろしくお願い致します。資金決済法に基づく仮想通貨(暗号資産)取引は、インターネットで販売・取引をしていただいている業者さんがほとんどである実態や、決済というよりはむしろ値上がり益を入手するというような、投資的側面も現在の仮想通貨(暗号資産)に関しては非常に多いという視点を持って、昨年を通してずっと協会の設立準備をしていました。
2018年10月24日、日本仮想通貨交換業協会が自主規制団体に認定され、認定とともに自主規制規則が施行されているのですが、これはほぼ金融商品取引法に準拠したような形の自主規制規則になっています。従来の資金決済法や資金移動業者としての観点の自主規制レベルと比べると、格段にレベルが高く重たい内容になっていて、加盟業者は遵守しなければいけないという状況になっています。
交換業協会自体まだ21名の体制なので、モニタリングの体制や、自主規制団体からの処分などまだまだ体制整備を求められていくという状況にはなりますが、一通り自主規制団体として機能する最小限のところは確保できていると思います。

(伊藤)今までは各社バラバラだったところが、自主規制規則によって一定のルールができ、レバレッジなどのルールが決まったと思います。協会が決めた自主規制ルールの中のポイントをいくつか教えてください。

(奥山)まず、自主規制のポリシーとしては、少なくとも業界の団体であり、加盟する全社会員が守るルール設定をしなければいけないという点でいくと、守れる人だけ残ればいいという形ではなく、全社がちゃんとそのルールを守れるようにしなければいけません。最低限のハードルのようなものを定めて、ボトムアップでハードルの基準を上げていくという形で進めています。
これが前提となっているので、当然コンセンサスベースに基づいて自主規制規則を設定し、金融庁とも了解を取り合える水準でなければならないというところに難しさがあります。
自主規制団体が規則を発足させたということの中で、これまで比較的自由で自主規制ルールが設定されていなかったところや、資金決済法よりは金融商品取引法に近い規制になるので、かなり厳しく受け取る業者さんもいらっしゃいます。逆に金融庁からすると、そこまではやってほしいという目線ではないでしょうか。この両方の目線の然るべき着地点はどこなのかなというのを探りながら、業界の健全な発展を目指して正しく判断していきたいと思っています。

なぜ4倍のレバレッジを協会として設定したのか

(伊藤)具体的な自主規制規則の例などありますでしょうか?

(奥山)例えば、最も大きなところで言うとレバレッジです。業者側はFXが25倍なのだから仮想通貨(暗号資産)も25倍で良いのではないか、という意見があり、実際にレバレッジ倍率最大25倍で提供されてる業者さんも多かったのが現状です。そこでレバレッジを4倍に制限すると、要は売上を1/6にしろと言っていることと同じことになるので、そのご不満みたいなところは実情としてあります。
一方で金融庁の目線で言えば、ビットコインに代表されるような1BTC200万円が、半年から1年でいきなり40万円になるような、ピークレベルで1日に10%や20%変動しているものは25倍でいいはずがないということもありますので、基本的には価値変動の激しい株式に類する取引ですし、このデリバティブを制限していく、という厳しい目線であります。
また、これは現物に類するデリバティブ取引であるので、信用取引に準拠するレベルの水準というものが、価値変動のボラティリティから勘案しても正しいという目線でいる訳です。

(伊藤)それは証拠金取引として見た場合のボラティリティが、FXに比べると圧倒的に高いからということですよね。

(奥山)はい。協会としては、FXの変動水準25倍を設定した時の当局の考え方や、自主規制団体側が意見をしたことで25倍に着地していった経緯、ここの一連のロジックを前提として現在の仮想通貨(暗号資産)のボラティリティを勘案するのであれば、直近1年半の高いところ・安いところと1日の変動幅を算出して、これぐらいだったらいいのではないかという目線として置かせて頂いたのが、FXの25倍が仮想通貨(暗号資産)の4倍にあたるというところです。一旦4倍の水準というものを、協会としてはレコメンドさせて頂きますといった状況になります。
金融庁としては、やはり4倍でもボラティリティが激しすぎるから4倍でいいのか、というお声もありますが、協会としてはこれがギリギリ一旦着地できる目線だとして4倍で着地させていただきました。
これは、研究会の発表でも発言させていただいていているところですが「本来レバレッジ、証拠金倍率、証拠金額というのは当該商品のボラティリティ、価値変動によって定められるべきものであり、一概に何倍に固定するとか、何%がいいという風に、全般的に固着させてしまうような性質のものではないと思います」と金融庁の議事録に公式に残っています。
それゆえ、4倍は良いとも悪いとも思っていません。事実FXの世界で考えると、一律25倍という規制が課されているんですが、例えばトルコリラだとか南アフリカランドといった通貨を指した時に、25倍の水準だから問題ないだろうとはやはり言えず、流動性の観点だとか変動率の観点から考えると、25倍のレバレッジというのはむしろ非常に高リスクな状態にあるように思えます。
一方で、ドルやユーロのような主要通貨で、流動性があり価値変動がそこまで激しくないものまで、25倍のボラティリティに設定するのが必ずしも適切なのか、というとそういう事でもないと思っています。それぞれ個別対象に対しての適切な価値変動率や、流動性を加味した形での倍率設定というのは正しいと思います。そうした意味では、仮想通貨(暗号資産)の4倍は良いとも悪いとも思っていません。

ただ一つの目線として、一旦FX会社の今の25倍規制に照らし合わせて、4倍というのが適切だと思いますので、これを推奨させていただきますということを、昨年10月24日のタイミングでは金融庁の了解を得て「じゃあ1年以内にそこまでにしましょう」という話を「了解いたしました」と進めてきているという経緯があります。現状協会としては4倍ですと言っていますけど、本来は流動性と変動率で弾力化させるべきです、という話をさせていただいています。
「なんで4倍にしてしまうのか」という話は、実は業者の皆さんには、売上に直接インパクトがあるので、ここは理解していただきながら着地させるという作業はもちろん大変でしたし、同様に金融庁には、これを4倍で容認してくださいと一旦目線を置いたというところ自体が一つ、協会としては大変な状況ではありますね。

(伊藤)考え方としては4倍固定ということになり、状況によって変動するようなルールではないということでしょうか?

(奥山)今はそうですね。これが今年の5月に国会で通りまして、デリバティブ取引は資金決済法に基づくその他業という事ではなく、金融商品取引法認定のデリバティブ取引ですという事で、金融商品認定され、金商法に組み込まれていくという運びになっていきます。倍率に対しての議論も、来年7月の法施行に向けて定められていくことになりますし、そこに関して、今度は金融商品取引業としての所管自主規制団体が定まり、金融商品取引法としての自主規制ルールがデリバティブに関しては全面適用されるという運びになっていくという事なのですが、現在まだ仮想通貨交換業協会はデリバティブに関しての認定をいただいていないので、この認定を進めるべく、事務局は作業を進めている最中です。

基本的には、デリバティブの所管に関しては交換業協会が準備を進めています。来年の7月に向けて一旦置かせていただいた4倍というものが、このまま4倍のままいくのか様々な声があります。この時点で各銘柄対象ごとに弾力化させるとか、流動性を加味させるというのは、すぐさま状況を変えようという風には言えないと思っています。

業界を守るためのレバレッジ倍率

(伊藤)一方で投資家から見た場合、実際の効果としてはどうなっているのでしょうか?ロスカットのルールなどに影響は出ているのでしょうか?

(奥山)前提として、FX業者だと未収金が1億、2億発生するととんでもない事になるのですが、従来の仮想通貨業者さんたちはスプレッドが広いので、マーケットで売り上げを上げるところの身入りとロスカットの金額のところで、未収金が発生してもそれ以上の売り上げがあれば良いという考え方があります。
その観点で言うと、未収金発生ということをいかに食い止めるか、という目線がFX業者に比べて非常に低いところがあります。同様の話で言うと、ロスカットルールに関しても、各社設定はしていますが、それが義務化されているものでもなく、FXの業界のようにそれぞれの監視サイクルまで自主規制規則で定められているような状況ではないという事を考えると、未収金をいかに発生させないようにするかという視点での証拠金額の目線だとか、ロスカットの監視サイクル、ないしはどういうタイミングで発動するのかということに関しての精緻化みたいな部分は、未収金発生という名の元の利用者保護であれば、仮想通貨(暗号資産)の業界はもっとブラッシュアップをしていかなければいけないと思っています。

資金決済法も現物の協会なので、デリバティブに対してガミガミと今までやる必要がなかったですし、そこは個社の問題なので、最低限これだけは守ってください、というのが倍率推薦だったという背景があるのですが、今後所管認定の状況で所管協会が定まり、そこの自主規制規則が定まっていく中では、デリバティブ特有のリスクという中での未収金発生ないしはロスカットの監視サイクルといった箇所は、新しい規則追加という形で定まってきます。まさに“その他業”だからせめてここまで守っておいてという話ではなくて、金融商品デリバティブなのだからこれを守ってください、というようなところに状況としては変わっていくだろうと思います。

(伊藤)なるほど。投資家保護という観点で言えば、少なくとも未収金が出ないというのは一つの目線として持っておいた方がいいですよね。

(奥山)それは利用者目線ではなく業者の目線で、社会的に見て必要だという適切な倍率を設定するというのは、一つの目線だと思います。

利用者目線で考えるのであれば、レバレッジ25倍と言わず、100倍でも200倍でも建てられるのであれば、建てさせてくださいというのが視点だと思います。だから利用者からしてみると、レバレッジなんていうのは高いに越したことはないですよね。
そうなると、海外だから面倒だとか、怪しいとか、カンパニーリスク、カントリーリスクみたいなところは一旦省いて、同じ国の中で5倍・20倍・100倍の会社がいるとしたら利用者としてどこ使いますかとう話で言えば、紛れもなく僕はみなさん100倍を選択すると思うのです。
つまり、それだけ利用者に信用を与えているということに他ならないので、利用者目線で話すと5倍でいいやと思っている人はあまりいなくて倍率は高いに越したことはないという意識を感じているのが、やはり一般利用者の目線じゃないかなと思いますね。

レバレッジ倍率ってなんなのかとなった時に、そもそも利用者保護の観点で設定するものではなくて、どちらかというと業者の保護水準だと考えています。業者のALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)であり、基本的には業者の財務健全性、業務健全性を維持するための一つの目線というのが、レバレッジ水準なのです。不足金が発生するリスクを会社が飲み込む覚悟があるのであったら、極論200倍だって500倍だって良いじゃないかという考え方になるわけです。

例えば伊藤さんが会社として法人口座を開けて「後から払うからいいよね」という風に言われて、「分かりました伊藤さん、無条件で証拠金なしだけど為替取引200本まではいいですよ」という風にやるというのはレバレッジ何倍なんだ、というと1,000倍でも2,000倍でもなくて、無限大なのです。
つまりそれは、単純に証拠金額に対して元本からの割り算をして倍率何倍という言い方をしてるだけであり、要は顧客との与信をどういう風に見るか、という与信リスクに他ならないのです。本来、それは業者が自由に設定して「業者のリスクなのだから伊藤さんが払ってくれなかったらどうするの?」「そこは業者が考えることでしょう?」「極論信頼があるところはクレジットラインだっていいじゃないか」「じゃあ預け金額ゼロだけどやるよ」ということで良いわけですよね。

(伊藤)業者のリスク管理の基準としてのレバレッジ倍率ということになるんですね。協会として今後どのようにレバレッジ倍率を定めていくか、方針などありますか?

(奥山)まだ金融商品取引法の所管団体でもなければ所管協会でもないですが、私は、仮想通貨(暗号資産)のレバレッジ取引などに関して、利用者保護の観点を持ちながら市場の発展を阻害することのないよう柔軟性のある自主規制を展開できるようお願いし続けていく必要があると思っています。

(第2回に続く)

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