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コラム・インタビュー

国内最大の仮想通貨(暗号資産)ウォレットサービスを提供する、Gincoとは?

株式会社Ginco CEO

森川 夢佑斗 氏  インタビュー

インタビュー 2019年6月20日 投稿

仮想通貨(暗号資産)を安全に管理できる国産ウォレットをはじめ、ブロックチェーン技術を使った様々なサービスを展開する株式会社Ginco。その高い技術力・開発力は仮想通貨(暗号資産)業界でも注目を集める存在となっています。今回はCEOの森川夢佑斗氏に、自社サービスの特徴やブロックチェーン技術の現状や将来像など、様々なお話を伺いました。その内容を全2回でご紹介します。


株式会社Ginco CEO 森川 夢佑斗 氏

1993年、大阪府生まれ。2015年からブロックチェーンに携わり、京都大学在学中に起業、ブロックチェーンを専門とするコンサルティング事業を開始。2017年より株式会社Gincoを創業し、ウォレット事業を立ち上げる。その他にもブロックチェーンの開発支援事業やマイニング事業を手がける。著書に『ブロックチェーン入門』『未来IT図解 これからのブロックチェーンビジネス』等がある。

インベストコア株式会社 代表取締役社長CEO
伊藤 慎佐仁

株式会社三菱銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)で為替資金部などに勤務後、ソフトバンク株式会社の財務部にて大型の資金調達などに従事。SBIホールディングス株式会社の取締役常務執行役員、ヤフーグループのワイジェイFX株式会社の代表取締役社長CEOなどを歴任。2016年には社会的インパクト投資を実践するネクストシフト株式会社を創業。インターネット金融の黎明期から関わり、銀行・証券・保険・住宅ローン・FX・投資助言業など幅広い金融事業に従事してきた。これまで、上場企業2社で代表取締役、上場企業3社で取締役。現在は、社会的インパクト投資やブロックチェーンなどフィンテックに幅広く関わっている。

高セキュリティ・複数通貨対応の「国産仮想通貨(暗号資産)ウォレット」を開発

(伊藤)森川さんは初期からブロックチェーン業界にいらっしゃいますが、金融業界でのバックボーンはありませんよね?この領域に踏み込まれたのはどういった理由からでしょうか?

(森川)私は学生時代に、C2Cアプリケーションの事業会社でインターンをしていたことが一番大きなきっかけですね。お金の流れに課題を感じていて、そこを抜本的に変えられると感じたことがブロックチェーンとの出会いです。逆に、伊藤さんはFX業界(YJFX!)から仮想通貨(暗号資産)じゃないですか。そこに何か繋がりがあるんですか?

(伊藤)ヤフーが仮想通貨(暗号資産)事業を始めたのは、宮坂さん(前ヤフー株式会社代表取締役社長 宮坂学氏)がZコーポレーションを作られてからだと思いますが、その頃から少し情報交換をしていました。ヤフーは実質的に、FXから本格的に金融事業に参入して、そこからカード事業を始めたり、ジャパンネット銀行を連結子会社にしたり。最近では、仮想通貨取引所のTAOTAOや、スマートフォン決済のPayPayも始めているので、一連の中で仮想通貨(暗号資産)事業にも力を入れていくと思いますね。決済的な要素とトレードの要素と両方ありますよね。

(森川)そうですよね、仮想通貨(暗号資産)の業界では、FXと技術的に大きく異なるところがあります。それは資産の保管のために専門的な技術力を要求される、という点です。これは私たちの取引先が苦労をされているところでもあります。昨年(2018年)には日本でも大きなハッキング事件がありましたけど、資産管理とかセキュリティのところで事業者・生活者ともに技術的なデファクトがない状態です。

(伊藤)Gincoのウォレットは、まさにそのセキュリティのところをしっかりやっていこうってことですよね?

(森川)そうですね、仮想通貨が暗号資産と呼ばれるようになっていますが、その資産の管理に対して日本ではまだ事業者が少なく、業界全体でセキュリティに対する意識が低かったように思います。創業した2017年12月では、まだ日本産のウォレットが全然なかったんですよ。2017年は取引ボリュームを中国と日本で競い合っている時期ですよね。しかし、トレードだけに目がいっていて、いかにセキュリティを保つかというところが軽視されていると思っていました。
海外の取引所でもハッキングの被害が多発している中で、日本企業はその被害を大々的には受けておらず、新興の企業も増えているタイミングで、仮想通貨(暗号資産)の管理に対して危機感が弱まっている段階だったんですね。
日本では過去にマウントゴックスの事件がありましたけど、その後に参入した事業者も多いわけで、マーケットの成長とセキュリティの意識に大きなギャップがあると思ったのがウォレット事業をはじめたきっかけです。トレードが普及して仮想通貨(暗号資産)を持つユーザーがすごく増えているのに、海外ではある程度市民権を得ていたウォレットが、国内にほとんどありませんでした。また、仮想通貨(暗号資産)をユーザー主導で管理し、自由に使っていく流れが来るはずだという予測もあったので、ウォレット事業を最初に立ち上げました。

日本国内で最も仮想通貨(暗号資産)が流通するマルチコインウォレット

(伊藤)Gincoのウォレットアプリの開発期間はどれくらいですか?森川さんご自身も開発者として関わられたのですか?

(森川)開発期間は半年かかっていないくらい、3~4ヶ月でプロトタイプを作って、という感じです。
Gincoの時は全然開発の方は見ていないですね。私は元々ウェブまわりの開発をやっていて、その中でウォレットの開発にも関わってきましたが、Gincoとして本格的に開発を進める中ではCTOの森下に任せてました。

(伊藤)海外勢のウォレットが多く、日本にない時期に作られたのは非常にインパクトもあったと思いますが、他に競合はありますか?

(森川)もちろん他のウォレット事業者はあるんですけど、Gincoの一番の特徴はマルチコイン、ビットコイン・イーサリアム・XRPなどを含め、複数の仮想通貨(暗号資産)を扱えることなので、そういうウォレットを開発してるところはないですね。

(伊藤)ウォレットを作るための技術では、どういうものが必要になるんですか?

(森川)言語はブロックチェーンが対応してる言語であればどれでも開発可能です。いわゆるJavaScript・GO・Pythonだとか、普通のウェブアプリケーション開発に使えるような言語でいいんです。そこに対してブロックチェーン側のいわゆる鍵の署名とか暗号化の部分を理解することが必要ですね。

(伊藤)現状、ブロックチェーンの技術者は不足しているんですか?

(森川)コアな部分をしっかりと理解して開発できる人材がまだ少ないですね。我々は全て自社で開発していて、コアなノウハウを持った人間が多い。ビットコインのことを理解していて、そこからイーサリアム、XRPなど、他の通貨に関しても本質的な理解をしていく。そういう開発者を多く抱えているところが、ウォレットの複数通貨対応に大きく活きていますね。
その全てを自力でやらなければいけないとは思っていなくて、そのノウハウをいわゆるマイクロサービス(APIなど)の形でラップして他の人たちが自由に使えるようにすることも、エコシステムを広げていく上で重要なところです。
我々がウォレットを作るノウハウは、自社でゼロからR&Dしながらプロダクトに近い形に持っていった。ブロックチェーンのサービスを作っていく上ではどこでも必要になってくる基幹的な技術なので、そこを公開していく動きをやっているのが最近ですかね。

(伊藤)その公開しているAPIは、実際にどういったところで活用されていますか?

(森川)日本マイクロソフトさんと提携して「Ginco Nodes」というサービスで提供してるんですけども、DApps(ダップス:分散型アプリケーション)のゲームの開発会社さんなどには使って頂いてます。これはイーサリアムのノードですね。

(伊藤)かなり活発な感じで使われているんですね。
話は少し戻りますが、ウォレットのユーザー数と、実際にどういった使われ方をされているのか教えてください。

(森川)ウォレットは約5万ユーザーで、累計の入金では100億円以上入っています。交換業者さんを除いた場合、日本では一番仮想通貨(暗号資産)が流通しているサービスになると思いますね。
取引所で売買をした仮想通貨(暗号資産)を我々のウォレットに移すケースが多いです。取引所に置いておくよりも自分のウォレットに置いておきたいというニーズがあるみたいですね。やはり取引所では入出金が大変だったり、手続きに時間かかったりする。そういうことを避けたいといった中間的なアドレスとして使う方もいますし、「HODL(ホドル:保有し続ける)」みたいな言葉もありますけど、長期で持っておく際にウォレットで管理している方もいらっしゃいますね。

(伊藤)中間的なものとしての利用は、例えば取引所間の送金を、Gincoアプリを通して行う、ということですよね。

(森川)そうですね、複数の取引所を使われている方で、特定の取引所にずっと置いておくのではなくて、一度ウォレットに置いて柔軟に動かせるような状態にしてる方が多いですね。取引所側からの送金にどうしても時間がかかる時があるので、資産移動の自由度を高めたいというニーズがあるようです。

ブロックチェーン技術の社会実装に貢献し、社会や生活に関する滞りを解消したい

(伊藤)ウォレット以外にもマイニング事業等にも取り組まれていますが、Gincoの事業の核はどこになるんですか?

(森川)我々としてはプロダクトを含め、ブロックチェーン技術の社会実装を進めるところを軸としてやっています。そのため、一見事業ドメインが広く見えると思うんですけども、手広い事業展開にはブロックチェーンの大きなウェーブみたいなものをどう社会に届けるかにフォーカスしているから、という理由があります。
最初にウォレットを作った理由ですが、私の中に「技術はあるだけでは何も変えられない、その技術がサービスという形をとって、人々の手に届いて初めて生活を変えていく」という感覚があるんですね。
その感覚をなぜ持っているかというと、僕が大学生の頃、就活をしていた時期に、ちょうどUberやAirbnbといったサービスが出始めたんですよ。そういうものを見たときに、今みんなが持っているスマホを通して、サービスが与える価値が人々の生活を変える、生活が変わると社会が変わり、社会が変わると法律が変わる、国家の枠組みすら変わっていく。技術やコンセプトだけではダメで、サービスに落とし込んだものが人にどう届くかというとこを見ている、ということはありますね。
その素材としてブロックチェーン技術自体の価値は高いわけですね。ディセントラライズドだ、分散型だ、と言いたくなるくらいには魅力的な素材なんだと思う。しかし今はただの素材で、煮ても切っても食えない状態じゃないですか。それをちゃんと料理してあげることが、私たちがやることだと思っています。

(伊藤)そうすると、これから新しいサービスもどんどん出していくんですね?

(森川)そうですね。今は一般利用者向けと企業向けの二つの軸があります。
一般利用者向けはもちろんウォレット、一般の方がブロックチェーンのシステムを使ったサービスに触れる最初の面だと思うんですね。そこを通じてもっと色々なサービスを提供していきたいと思っています。
今あるブロックチェーンを使ったサービスで一般的なものって、たぶん片手で数えられるくらいしかない。ブロックチェーン技術をプロダクトの形に加工していくのは大変ですし時間がかかる。しかし共通化できる部分はたくさんある訳ですね。先ほどお話ししたGinco Nodesもそうですけど、我々はノウハウをマイクロサービスとしてどんどん共有していきます。BaaS(バース:Blockchain as a Service)と呼んだりしますけど、それを事業者の皆様に使ってもらい生活者に届くサービスを増やしていくことがブロックチェーン技術を普及させるきっかけになります。どちらも一般の人の生活が良くなることに繋がるので、そこに両軸でコミットしたい。

(伊藤)実際に仮想通貨(暗号資産)以外でブロックチェーンが目に見える形で活用されている事例は少ないですね。Gincoのものも含め、近々出そうなサービスや、準備段階入っているものはありますか?

(森川)個人的にはブロックチェーン活用は完全に「コスト削減」と「付加価値創出」の二軸だと思っています。例えるのは難しいですけど、AIとVRにはそういう部分があると思っています。AIはデータ解析だとか、効率化の方で見えやすいんですよね。VRって付加価値的の方ですよね。ブロックチェーンでは両方有り得るんですけど、もう少しベースのところに位置する技術なので、インフラユース過ぎて見えにくいんですよ。
ブロックチェーンで効率化もできるし、新しいものを生み出すようなポテンシャルもある、両方持っていると思っています。効率化の観点で分かりやすいのは国際送金。リップルとかが主導していると思うんですけど、国際送金のコンソーシアムもありますし、サプライチェーンのところでは明確にバリューがあると思っています。

(伊藤)国際送金ですと、銀行界にあるスウィフトのような重いシステムを通さなくていいし、関わる人間の工数も少なくて済むので、そういう意味では恐らくコスト削減になる。ここは分かりやすいんですけど、サプライチェーンでの活用では、ブロックチェーンでどういったコスト削減が可能なんですか?

(森川)データ保持が狂って困るのはお金じゃないですか。中でも一番困るところが国際送金。国の横断だとかデータの場所が分散しているという課題があるので。
サプライチェーンも同じで、例えば原産国はどこかというところから、色々な生産国を横断していたり、一つの商品に様々な事業者が関わっている。商品がどこから来たのかを各事業者同士が記録していく中で、記録が本当に正しいのかを保持し続けるのはすごく手間なわけですよね、今はそもそも伝票管理ですし、それをデータ化しても、それぞれがデータベースを持っていてはどう確かめるかは難しい問題なわけです。
ブロックチェーンを利用した場合、それを一度記録してしまえば、リアルタイムで正しいデータを改ざん不可能な状態で同期し続けることができる。今までのデータベースとは少し違う形で有用なものであるということがあります。これはビットコインから連想されるブロックチェーンのメリットとは違う側面ですけども、いわゆるコンソーシアムのブロックチェーンのような話で、参加する当事者間で常にデータを同期して、そのデータの変更は参加している当事者が合意をしなければ変えられない、技術的に絶対に変えれないということが重要なポイントです。企業のビジネスプロセスに則った形でお互いのデータベースを同時に変更するのは、今までシステム的になかなかできなかったと思うんですよ。

(伊藤)サプライチェーンでのブロックチェーン活用は、プライベートブロックチェーンの形が一番ワークしやすいわけですよね。

(森川)ビジネスのオペレーションに使う場合はコンソーシアムが向いている。
パブリックではないブロックチェーンは意味がないという話がよくありますが、そもそもまともにデジタル化出来ていない企業が多いので、ちゃんとシステム化できることは大きなメリットですよね。

(伊藤)国際送金の世界ではR3のようなコンソーシアムもできている。そういうものが業界ごとに出てくるのでしょうか?

(森川)いわゆるディセントラライズド、みたいな世界観だと思うんですよ。今まで出来なかったことが、民間企業やNPOでもシステム化しうる。
例えば、難民のIDをブロックチェーンで作るといった、今まで全くできなかったことも出来る。ただ、それを実社会に落としていく時には、どうしても規制やレギュレーションとの兼ね合いがあります。難民にIDを渡して本当に使えるのか?といった議論は勿論ありますが、イノベーションの種はたくさんあります。
付加価値の観点で見ると、音楽アーティストなどのプラットフォームにブロックチェーンがよく使われますよね。動画プラットフォームのDlive(ブロックチェーンベースの動画配信サービス)は、簡単に言うとYouTubeのブロックチェーン版みたいなものですけど、そこでYouTuberのような人たちに対して、他のライブ系サービスと同様に投げ銭が出来るんですよね。それはDliveでは全て仮想通貨(暗号資産)になっていて、ほぼリアルタイムで演者に入ってくる。しかも手数料も低い。ライブ配信系サービスでは、アプリもたくさんあると思うんですけど、基本的に課金した30%とかを手数料として取られてるわけじゃないですか。SpotifyがAppleに対してプラットフォームで過度に手数料取っていることを告発した。Appleの言い分は、運営やセキュアな決済にどれだけのコストがかかると思っているんだ、といったものでした。ブロックチェーンを全体のネットワークとして相乗りできている状態で使うことができれば手数料も抑えられますし、送金はpeer-to-peerにできるので、演者とファンで直接的に、瞬時に送金できる。演者はその報酬をすぐに次の制作活動に回せる、という事例はありますね。

(第2回に続く)

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