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コラム・インタビュー

ブロックチェーン技術の可能性と、普及への解決策とは?

CollaboGate(コラボゲート)CEO/Co Founder

三井 正義 氏

CollaboGate(コラボゲート)CMO/Co Founder

栗原 宏平 氏  インタビュー

インタビュー 2019年4月26日 投稿

ブロックチェーン技術を活用し、世界中のプロフェッショナルと仕事ができるプラットフォームの開発や、ブロックチェーンの産業実装を目的とした企業向けのワークショップや共同リサーチなどを国内外で行なっているCollaboGate(コラボゲート)。
このインタビューでは、CEO/Co-Founder 三井 正義 氏、CMO/Co Founder 栗原 宏平 氏のお二人に、経歴から自社サービスの内容や特徴をはじめ、ブロックチェーンの社会・産業実装の将来像まで、幅広くお話を伺いました。

CEO/Co Founder 三井 正義 氏

2015年、慶應義塾大学大学院X-Design修士卒業。SFCではコンピューター・サイエンスにおける自律分散協調システムの研究に従事。その後、ビトム株式会社を創業し、分散型3Dプリントシステムサービスを開発・運用。ブロックチェーンに特化した短期育成プログラムにおいて、日本分野のリーダーをつとめる。現在、Bitom Inc.にてCo-Founder 兼 CEO、BitMileにてCo-Founder 兼 CMOもつとめている。

CMO/Co Founder 栗原 宏平 氏

2012年、関西学院大学卒業。楽天株式会社にてコンサルタント営業を経験したのち、マンガコネクト株式会社を企業。複数のブロックチェーンプロジェクトに携わり、現在はワシントンDCに本部があるGovernment Blockchain Association東京代表も務める。ブロックチェーンやビジネスに関連する国際カンファレンスでも登壇経験があり、ブロックチェーンCMOとしてグローバルにコミュニティの育成を行う。

インベストコア株式会社 代表取締役社長CEO
伊藤 慎佐仁

株式会社三菱銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)で為替資金部などに勤務後、ソフトバンク株式会社の財務部にて大型の資金調達などに従事。SBIホールディングス株式会社の取締役常務執行役員、ヤフーグループのワイジェイFX株式会社の代表取締役社長CEOなどを歴任。2016年には社会的インパクト投資を実践するネクストシフト株式会社を創業。インターネット金融の黎明期から関わり、銀行・証券・保険・住宅ローン・FX・投資助言業など幅広い金融事業に従事してきた。これまで、上場企業2社で代表取締役、上場企業3社で取締役。現在は、社会的インパクト投資やブロックチェーンなどフィンテックに幅広く関わっている。

CollaboGate(コラボゲート)としてブロックチェーン事業を始めたきっかけとは?

お二人がブロックチェーンに関連する事業を始めようと思ったきっかけを教えてください。

(三井)自分は、2013年から慶応のSFCで、自己組織化という自立的に組み上がっていくモデルとか、数理モデルとか、プロトタイプとかを研究室で作っていた時に、自律分散協調システムをずっと勉強していました。研究室がそういうラボだったので、「分散ってカッコイイよね」みたいな謎の空気があって(笑)「分散カッコイイ」みたいな。

分散カッコイイ!(笑)なるほど。

(三井)ブロックチェーンは知っていたんですけど、当時はあまりピンときてなくて。卒業してから色々な事業をしていて、イーサリアムのホワイトペーパーを読んだ時にハッとして。気づいたらずっと色々なホワイトペーパー読むくらいハマっちゃって。「ああ、これやろう!」と思って。

ブロックチェーンのどこに一番惹かれたんですか?

(三井)自律分散協調システムは、社会モデルや生命システムもそうなんですが、システムに参加するエージェントがなにかした時の報酬・インセンティブを持つことで成り立っています。人間も本来は独立したエージェントで、権威や中央集権的な仕組みがなくても、各々の自律性にしたがって生きていく、あるいはキャリアを形成していくという形が一番美しいと思っています。本来のインターネットのイデオロギーはそうでした。初めてスマートコントラクトの概念と、その可用性を見た瞬間に、ピンと来るものがあり、徐々に「おおそうか!社会が作れるのか!」とのめり込んでいきました。

なるほど、栗原くんはどうですか?

(栗原)2011年くらいから人と繋がるためにソーシャルメディアを使っていました。2014年に東京で会社を立ち上げた時、僕以外のメンバーは外国人、国籍もバラバラだったんですけど、地理的なことは関係ないと思っていました。そのプロジェクトは失敗したんですけど、たまたまイスラエル人の社長に日本で出会って、彼が「僕らユダヤ人はね、国なんて信じてない。」「僕らが国なんだ。世界中に散り散りになったユダヤ人と連携して、自分たちが国交をやるんだ。」みたいな事を言い出して。それってすごく本質的で、それを自分も作れないかと考えて、個人がプラットフォームになることについて、ソーシャルメディアを使って色々な人とやり取りしていました。
その当時、サンフランシスコにBitwageというスタートアップがあって、彼らと初めてやり取りした時に、ビットコインをフリーランスへの支払いに活用することで、国を越えた仕事がやりやすくなると思って色々調べていきました。彼らのプロジェクトを通じてブロックチェーンという技術を知り、自分が調べたことをどんどんメディアで発信していくことで、海外からブロックチェーン関連のリクエストが来るようになって、その分野で関わっている人たちと仲良くなり、一緒にプロジェクトを立ち上げるみたいな事もありましたね(笑)

ブロックチェーン関係のリクエストとはどういったものですか?

(栗原)当時から、僕がブロックチェーンに関連した情報をマーケティング目的で発信していたのですが、2017年、仮想通貨(暗号資産)の価格が上がるちょっと前くらいからビジネス系の人たちもブロックチェーンに関係した情報に関心を示すようになって来て、自分の繋がりもビジネスや政府関連のブロックチェーン系の人が増えてきた。そうこうしているうちに色々なプロジェクトに関わるようになり、彼(三井氏)と出会い、リサーチを始め、ブロックチェーンってなんぞや、みたいなことを理解していきました。

お二人の出会いについてもう少し詳しく教えてください。

(栗原)とあるヘルスケアの会社に共通の知り合いが居て、2017年の年末に、彼が「データを持っているけど、どう使えばいいか分からない、ブロックチェーンに詳しい知り合いがいるか?」みたいなことで連れてきた。たまたまそこで出会って。

(三井)そのあとリサーチを東京で一緒にやろう、ということになって。毎週土曜日の朝に、ホワイトペーパー3本くらい読んで、全部英語でディスカッションするという、割とキツめの(笑)

すごい!今はやっていないんですか?

(栗原)ちゃんとしたホワイトペーパーがあまり出てこないので。

(三井)知りすぎちゃって、途中からは来る人に教えるみたいな感じになって、なんかつまらなくなって一旦お休みしています。言い訳かな、朝起きるのが辛い(笑)

(栗原)そのスタイルはちょっとやめようかって。

でもその中で、ブロックチェーンについてかなり学んだってことだよね。

(三井)そうですね、めちゃくちゃ勉強しました。

ICOからSTOへ、日本におけるブロックチェーンの今後

現状ではICOも下火になり、仮想通貨(暗号資産)の売買も少なくなっていますが、CollaboGate(コラボゲート)での取り組みも含め、ブロックチェーンの今後についてはどう考えていますか?

(三井)ブロックチェーンの技術だと、パブリックチェーンのプロトコルレイヤーで研究・開発するエンジニアと、エンタープライズ向けのチェーンで実装するエンジニアで分かれていると思います。
僕は、この3年間はプライベートやコンソーシアム型チェーンで進んでいくと思っています。アカデミックなリサーチャーは、引き続きインフラレイヤーでのスケーラビリティやインターオペラビリティを議論して作っていくんですが、ここはインターネットでいうTCP/IPの話。ビジネスをする上では知らなくてもいいです。
産業でブロックチェーンを利用して何か作る場合に、どのステークホルダーが入ってきて、どうガバナンスをとるかという話が出てきます。新しいモデルの上に、新しいビジネスネットワークが再構築され始めています。
ここにどれくらいの日本企業がグローバルに入っていけるか?そういうエンタープライズ側の変化が今後は社会に出てくると思います。
仮想通貨(暗号資産)で言うと、ICOは結果うまくいかなかった。トークンに価値の裏付けがないので、ホワイトペーパーに描かれているような金融工学や経済論を拠り所にしますが、これを検証するほどのトラクションがないのが現状という認識です。
STO(セキュリティ・トークン・オファリング)はその点でわかりやすいので、普及していくと思います。あと2〜3年は規制のところで引っかかると思うんですけど、最近EUでは、いくら以下だったらプライマリーマーケットで緩和していく、といった話し合いはしていたり、Indiegogoというクラウドファンディングサイトがセキュリティトークンを発行する実験をしたりしています。
単純なエクイティに紐づくトークンだけでなく、債権や組み合わせなど、プログラムが可能だからこそ生み出せる商品の多様性は魅力ですが、リーマンショックの反省から、同時に慎重に進めていく必要があるように思います。ただ、新しいプライマリ・セカンダリでの市場を生み出す期待感などはSTO関係者から伝わってきます。

今後STOは、キーワードとしてかなり出てくると思っているんですけど、STOを簡単に説明すると、どういうものになるんでしょうか?

(三井)証券ってそもそも約束を執行する権利だと思うんですけど、スマコン(スマートコントラクト)は、その権利の執行を自動で安全に誰にも邪魔されずにできる。STOは、そのトークンを発行して、お金を集める手段をさします。

実際に行われる経済的行為として、例えばある会社が社債を発行し、調達した資金でプロジェクトを起こす場合、通常の社債は有価証券で、所定の開示などを経て発行される。社債はセカンダリーマーケットで売買されたり、期限が来たら企業が返済したり利息を払ったりする。STOでは、その取引やお金の流れ、債券の権利、そういったものがブロックチェーンに置き換わるということですよね?

(三井)おっしゃる通りですね。債権の所有移転の通知みたいなこともプログラムで書けますし、トークンとして流通させることで、債権の流動性を高めることができます。とあるグローバル大企業では、各国のグループ会社との債権処理だけで、驚くほどの金額規模と、驚くほどアナログなので、ここにはチャンスがあると思います。

今後の企業の作り方・在り方は、ブロックチェーンで大きく変わっていく

なるほど。だとすると、今日本では金融商品取引法があって、企業の社債や株式の発行は全てそのもとで行なわれている。セキュリティトークンがその管理下になった場合、資金調達をする企業や投資家側にとって、そういったメリットが出ると考えますか?

(三井)最近、Lyft(ライドシェアリング企業・リフト)や Airbnb(民泊サービス・エアビーアンドビー)が、自社株式が買えるオプションを、例えばドライバーさんや家を貸してくれる人に配るといったことをやっている。あれは証券を、自社のネットワークを強くするために使っている事例だと思っています。1対nで証券を分配するところでは、いちいち間が入ると拡張性がない。それがプログラムで全部自動執行できるとていうのは、たぶん人類史上初めてです。ネットワークや会社、プラットフォームの作り方が根本的に変わる、という点は面白いと思っています。
(栗原くんは)どう?

(栗原)いわゆる電子投票は、実は議決権行使の時にも使えます。プロキシヴォーティング(Proxy voting)というもので、今はSWIFT(国際銀行間金融通信協会)が開発しています。トークン化されたセキュリティ商品で議決権を同時に執行・行使できるスキームが成り立つようになれば、例えばクラウドファンディングのような形で会社を作ることができて、そこに世界中からより流動化した形で人が参画できる。今まですごくプロセスがかかっていた部分、情報開示もそうですし、他の国から買う時にすごくコストがかかっていたところがスムーズにできる。自分とは違う国の企業に瞬時にサポートができて、そこに対して自分が何かコミットできる。これは技術的なインフラの仕組みとして、10年20年かけていくとあり得ると思います。

(三井)クラウドファンディングだとお金を投げるだけで終わってしまうけど、応援をしたり興味を持つところに何か対価があって、それがずっと続く。その会社に超詳しい人が投資する。多様化していく社会においては、その方が投資効率が高い。やはり個になっていくのではないか、という気はしますね。

なるほど。そのほかに今後ブロックチェーンのトレンドで注目すべきことはありますか?

(三井)個人情報の扱い方が変わるだろうと思います。ブロックチェーンかどうかは置いておいても、すごくポイントになる。GDPRだけでなくアメリカでも議論が進んでいますし、日本も個人情報をどう扱うかについて向き合わないといけない。
その中でどのデータをどう標準化していくか、といった議論が本格的に盛り上がると思っていて。アメリカは独自にやるでしょうし、中国はゴリ押しでくる。ヨーロッパでもやるとなった時に、アジア地域でどういうスタンダードを作るのかという話が出てくる。
その時日本がどう関わるかは別として、大きなトピックになるんじゃないかな。そこでブロックチェーン的な話を絡めながらできるようになると、これからどんどん成長していくマーケットとうまくリンクして、新しい標準化の議論が世界的にできる。

ブロックチェーンの普及に向けた課題と解決策とは?

今後、日本もブロックチェーン普及にもっと積極的に取り組んでいかないといけない。仮想通貨(暗号資産)に対しては、金融庁も早めにルールを決めて育てていく方針がある中で、過去、日本が先行していたけど追い抜かれた話は色々な産業であって、ブロックチェーンでも、今ここで立ち止まっていると、また世界に置いてかれるかもしれない。今、日本における業界への規制や支援について、どういったことを望んでいますか?

(三井)うーん。サンドボックスへのアクセスは、やはりスタートアップ単体だとやりにくくて。
ビットマイルプロジェクトは日本のお客様やユーザーを相手にするので、実際にサービスインするには、トークンを許可された仮想通貨交換所に上場するしかない。うちのチームはすごい優秀なので、うまくやりますが、ユーザーがたくさんいて期待値もあるのに動かせない。それってある種イノベーションを止めていると感じていて。シンプルにできないし、海外に出よう、となっちゃいます。

今の日本では、金融庁に認可されている仮想通貨交換所に上場しないと新しい通貨は出せなくて。今の状況で動かすには、海外に出て行かざるを得ない、ということですね。

(三井)スタートアップだけではなくて、大企業さんとプロジェクトを進める際にも、トークン経済圏の話をするんですね。どこで詰まるかというと、どうやってPOC(Proof of Concept:概念実証)をやっていくか、どう着地させるのかというところ。特区をつくるなど、やりようがありそうです。

日本では2018年に仮想通貨(暗号資産)業界で起こった色々な問題の後始末が先行していて、ブロックチェーンを利用した新しい仕組みへの対応が遅れていますね。

(三井)技術者を混ぜてもっと議論する場所を作るべきだと思っています。政府・自主規制団体の方とも話していくと、彼らはイーサリアムのEIPのアップデートを見ているかというと見ていない。例えば、EIP1776ではイーサリアムを持たなくとも独自トークンで払えるという提案が、法的にどう解釈されるのかは面白い議論だったりします。グローバルな世界で見るとオープンに議論されている。現状、事業者が個別に連絡して確認して、みたいな状況だと思う。

(栗原)マクロの話をすると、地方分権の議論を進めて行く必要があると思います。アメリカの州政府は国からある程度独立しているので、例えばワイオミング州は自分たちでサンドボックスを開けるわけですよね。州ごとに分けると人口は減りますが、実証実験がしやすくなる。日本だと経産省が前に出てやっても、監督省庁、例えば法律だと法務省、医療データなら厚生労働省などを巻き込んでいく必要がある。そうするとやっぱり速度が落ちてしまいますよね。もう少し国全体として見るよりは、地域の中で決められる枠組みを作った上で、サンドボックス的なことを入れていかないとなかなか変わらない。個人で使う技術なので、国全体で浸透させるという発想から変えていかないと難しいかな。ちょっと大きい話ですけど、個人的に感じているところではあります。

(三井)技術者 対 国だとダメだから、技術者 対 渋谷区、みたいな(笑)

(栗原)渋谷区の規模なら、例えばエストニアでやっていることも導入できそうですよね。日本全体だと無理な話でも。

(三井)区役所を電子化しよう!ってできる話(笑)

(栗原)世田谷区でも、人口100万人いないくらいなので、色々できそうだし、住民の理解も得やすいかもしれない。

(三井)先日鎌倉で、面白法人カヤックさんと一緒にイベントをしたんですけど、鎌倉では企業や市が連携して地域通貨みたいなものを作ろうとしている。あの動きや枠組みを見ていると、あの粒度・規模くらいで町おこしをやったほうがいいと思う。

(栗原)うん、地域色が出ますし、もちろん成り立たない土地も出てくると思うんですけど、成り立たないなら成り立たない時の議論をしていくことに発展性がある。どうすればブロックチェーン技術が全産業に広がってくか、という発想に変えたほうが政府としても楽なんじゃないかな。

(三井)個人投資家保護といったバイタルな部分だけ国が守ってくれれば、あとは地方で。それこそ分散だよね。分散クールですね(笑)

興味深いお話をたくさん聞くことができました。ありがとうございました。

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