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コラム・インタビュー

「Future of Money~マネーの未来を探る~」イベントレポート(前編)

ニュース 2018年12月13日 投稿

2018年11月18日(日)、東京丸の内のJPタワーにて日経CNBC主催「Future of Money〜マネーの未来を探る〜」と銘打たれた、仮想通貨を軸とした講演・トークセッション主体のイベントが開催された。

同イベントは登壇者も仮想通貨や投資業界でその名をよく聞く著名人ばかりのラインナップで、仮想通貨を軸としたイベントの中では過去最大クラスと呼べる内容となっており、主催の日経CNBCならではの取り組みといえるものであった。

講演の内容も業界の中心にいる人物たちによって語られるもので、今後の仮想通貨全体がどうなっていくのか?という空気の一端に触れることができるものばかりとなっていた。

今回は前後編に分けて同イベントで語られた内容の一部を紹介していきたいと思う。

仮想通貨取引所にとって最も大事なことは安心・安全

イベントはまず、本イベントの特別協賛でもある「ビットポイントジャパン社」の代表である小田 玄紀氏のセッションからスタートした。小田氏のセッションでは仮想通貨界隈の概況に合わせ、ビットポイントジャパン社の紹介も自らのプレゼンテーションで行われた。

ビットポイントジャパン社としては、いわゆる「コインチェック問題」が示したように、仮想通貨取引所・取扱所は、セキュリティやインフラ面が重要である事を強調し、同社も設立当初から「安心・安全な仮想通貨取引」をモットーとして運営を続けてきた事を紹介した。実績としても事業開始以来、サーバーダウンの発生が起きておらず、「ボラティリティの高い仮想通貨では、レートが動いているタイミングで売買できないことは大きな問題」とインフラの強さを紹介した。

本田圭佑氏がビットコインでの報酬を選んだ?

また今後の事業計画としても、第4次FATF(※1)対応を見据えた事業計画となっているが、今後同社としては送金・店舗決済の分野に一層の注力をしていくという発言があった点が興味深い内容となった。これは海外からの観光客が両替の手間要らずで国内で買い物をしてくれるインバウンド需要に限らず、訪日外国人などが海外に在住している親族や友人と送金を行う際に、法定通貨に比べて仮想通貨が容易であるという、仮想通貨の本質的な価値に近づく話でもあった。

これに紐づく話として、ビットポイント社はCMキャラクターとしてサッカー日本代表でもある本田 圭佑氏を起用しているが、CM契約料についてビットポイント側が半ば冗談で「契約金はビットコインでお支払いしても良いか?」と尋ねたときに、本田氏より「逆にビットコインの方がありがたい。世界中で使えるので。」という返答があり、実際に契約金はビットコイン払いとなったのだという。今やプロサッカー選手の枠を超え、世界を舞台に実業や投資の分野でもその名を聞くようになった本田氏ならではのエピソードといえよう。

(※1)FATF(ファトフ):テロ資金やマネーロンダリングなどの資金対策について、国際的な強調・推進を担う政府間機関。日本でも金融庁を中心として、この基準を満たせるように金融機関各社に対応を要請している

5つの観点から見る2019年のビットコイン復活の兆し

ただし、小田氏からはビットコインによる投資的な取引については慎重な見方が述べられた。

ビットコインの日次の取引量の低下について、2018年1月時点ではビットコイン全体で日に約2,000億円あったものが、11月現在では約200億円と、1年経たない間に1/10へと低下している現状を踏まえ、それでも2019年からまた復活の兆しがあるのでは、という推察がなされた。
それは以下の5つのポイントにあるといい、

  • 「主要仮想通貨で20兆円以上の時価総額」
  • 「各国政府による仮想通貨に関する法整備」
  • 「金融機関による仮想通貨市場の参入・仮想通貨派生の金融商品」
  • 「仮想通貨関連企業の株式市場への上場」
  • 「ICOに対するレギュレーションの制定」

というポイントが今後の仮想通貨を牽引していく要素になるのではないかという解説が行われ、小田氏のセッションは終了した。

投資の達人達による仮想通貨の見方

他のセッションでは「マーケットの達人はこう見る!『仮想通貨の可能性』」と銘打たられたセッションが、大変興味深い内容であった。

登壇者は、今や参議院議員であり、過去から投資の世界ではその発言が注目される「藤巻 健史」氏に加え、為替やFXの業界ではその名をよく聞くソニーフィナンシャルホールディングス執行役員の「尾河 眞樹」氏、また仮想通貨の逆の位置にあるといってもいい「金(ゴールド)」の専門家としてICBCスタンダードバンクの「池水 雄一」氏という組み合わせで行われた。国会議員、銀行の為替スペシャリスト、ゴールドの専門家という異色な組み合わせながらも、それぞれの視点で仮想通貨を様々な切り口から解説する、濃厚なセッションとなっていた。

まず各登壇者と仮想通貨の関わりについて、藤巻氏は「3〜4年前から仮想通貨取引を始めた。自分でやってみなければわからない。国会でも仮想通貨の税務問題について追求中。」と、トレーダーとしてもまたその法整備を行う側としても携わっている状況のようだ。

尾河氏は元々為替ディーラーというバックボーンもあって、今も周囲から仮想通貨も法定通貨も同じ通貨のことだし、ということで仮想通貨について質問されることが増えてきて、仮想通貨全体の市況などをウォッチしている状況だという。

一方で池水氏は商社出身でありトレーダーとしての経験もありつつも、現在はゴールドを中心とした相場観測をされている視点から、ビットコインが値上がる前から「ゴールドに似ているのではないか?」という思いで注目してきたという。有事の際に法定通貨からの避難先となる点や、マイニングという観点がゴールドに似ていると感じていたと述べた。

仮想通貨の今と今後について

最初の話題として、今ビットコイン相場で何が起きているのか?という基礎的な話題からスタートした。
まずは尾河氏から「昨年からのビットコイン相場が乱高下している理由には大きく3点。『中国の規制』『日本の法整備の急進』『ドル円のボラティリティの低さ』ということが挙げられる。」という簡単な解説があった。これもそれぞれ一般的にも知られる話となったが、目立った投資先が見当たらなかった流動的な資金が一時的に仮想通貨に流れ込んだ結果が急騰に繋がったという点が強調されていた。

これを受けて藤巻氏からは「仮想通貨はデリバティブと比べてまだまだマーケットが小さい。デリバティブも登場当初は金融商品として『紛い物』という扱いを受けていたが、今や当たり前のものとなった。仮想通貨もいずれそうなっていくと思うが、今はマーケットの小ささから機関投資家が入りづらい部分がある。ここで機関投資家が入ってくることで、マーケットは安定していく。」という説明があった。
仮想通貨がこの先一般的な金融商品となり得るか?という問題では、ボラティリティが重要であることが両者から示されたかたちとなった。

仮想通貨の本質的価値とは?

一方で池水氏からは「デリバティブは為替や商品からの派生商品であるが、ビットコインの価格の基は何なのか?対ドルや対円で何故ビットコインが値動きをするのか?マーケットの値付けの源泉は何なのか?」という、今更だが仮想通貨が仮想であるが所以の疑問がテーマとして起こされた。

尾河氏は「為替のフェアバリューの考えに似ている部分があって、何をもって本質的価値とするか?というのは、現状では相対的な価値から見出されている状態。わかりやすい部分では、ゴールドでは採掘するためのコストがあるが、ビットコインでもマイニングというコストがかかっている。
またこの先時間はかかると思うが、先物市場がしっかり出来上がることで先行ヘッジができるようにもなってきて、より価格の源泉はわかりやすくなってくると思う。
ただ本質的なところでは価値は主観的なものであり、人々が便利だと思えば価値が上がってくる、というのが本来だろう。」と、為替の専門家ならではの回答を述べた。

これに対し藤巻氏は「仮想通貨は避難通貨としての価値がある。
そもそも通貨というものは国が発行しなくてもいいという前提がある。日本の財政は日銀がよくない状態。財政破綻を先延ばしにした結果、世界最悪のメタボな経済状態になってしまっている。そういった中で信頼を失った日銀が発行している円という通貨は、日銀とともに一緒に価値が落ちてしまうリスクがある。そうなった場合の避難先の一つとして仮想通貨は選択しやすい価値がある」と持論である日本経済の破綻リスクにも絡めたかたちで、少し過激な表現も交えつつ、仮想通貨の価値を語った。

これらに対し話題の振り手であった池水氏は「究極な事態として世界のインターネットやインフラが停止したら仮想通貨の価値は無くならないだろうか?ゴールドの価値は変わらないものであり『普遍性』がゴールドの価値であると考えている。それ故にツタンカーメンの時代から使われている。為替が国が発行体自体としての価値を持つ場合、ゴールドは物の価値自体でそのあたりに違いがあるのではないだろうか。
すべての資産をゴールドを始めとした現物資産にする必要はないが、一部だけでも現物資産を保有しておくことは、最終的な避難先として『現物としての物がある』ということが強みなのではないかと思っている。」と持論を展開した。
これは仮想通貨の本質的な価値という論点では、対極としての存在である現物資産の専門家ならではの意見となった。

尾河氏はさらに仮想通貨と法定通貨の違いから、仮想通貨の価値と将来を以下のように語った。
「よく言われるところで、『ビットコインは通貨ではない。なぜなら国の保証が無い。』という意見もある。ただし、だから通貨ではないというのは違っていて、国が財政破綻する場合もある。
その他決済手段としての通貨として考えた場合、一般的に言われる『価値の表示』『価値の交換』『価値の保存』の条件を満たすことが必要になるが、現時点では3つともまだ十分とは言えない状況にある。これらの不十分な原因にはビットコインのボラティリティの高さもあるのではないかと思う。ここをどう解決していくかが今後のポイントになるだろう。
ビットコインは現状では日本人にとってのユーロぐらいな状況。ユーロ圏にいけば使えるが、旅行にでも行かなければ使わない。これが本当にボーダレスな価値が出てくると、みんながビットコインを便利だと思い、日常の買い物でも使えるし、企業も貿易で使用するようになり、極端には日本人の給与もビットコインで支払われるようにまでなれば、法定通貨に置き換わるものというように言えるだろう。」

仮想通貨の本質的な価値が通貨と同様に語られるためにはまだ課題が残っており、それらが解決されない限りは、池水氏の主張するように『本質的な価値は何なのだろうか?』という議論は尽きないだろうと感じられる議題であった。

銀行は不要となるのか?

前述の通り法定通貨が仮想通貨に置き換わっていく世の中になると、銀行は不要になってしまうのではないか?という、少し冗談の混じった意見に対し尾河氏の、「その通りかもしれない(笑)ただし今でさえ1,000を超える種類の仮想通貨が存在していて、仮想通貨同士・為替との変動などがあるから、銀行の仕事は無くならないだろう。」という話から、藤巻氏が以下のように語った点も印象深いものとなった。

「今の経済圏は銀行口座を持っていないといけないという前提がある。口座がないと経済圏の中での活動ができない。そして銀行口座を持てない人たちも世界にはかなりの数がいる。
ただしビットコインであれば銀行口座は不要であり、スマートフォン一つで送金・決済が行える。決済の手段としては法定通貨よりも仮想通貨の方が魅力的であると思っている。
さらには寄付という部分でも、例えばケニアで災害が起きた。寄付をしたいと思ったときに、どうやって換金していいかも分からなければ、どこに送金してもいいか分からないという中で、仮想通貨であればすぐに寄付できてしまう。これは素晴らしいこと。」

ここから各国の中央銀行によるデジタル通貨について、仮想通貨との棲み分けなどについて活発な意見が交換された後、まとめとして尾河氏から、「仮想通貨の発展、中央銀行デジタル通貨などの登場によって銀行の『役割』は変わってくるかもしれない。仮想通貨が一般化すれば、決済領域は特に銀行の役割は減るだろう。
またフィンテックベンチャーなど、銀行業の免許を取得しなくても個人間決済などもできるようになってきていて、すでに銀行の機能は変わりつつある。」という見解が述べられた。

仮想通貨に対する日本の法整備は?

仮想通貨に対する法整備は日本は世界で進んでいるのか?という話題について藤巻氏から投資家にとって興味深い見解が述べられた。
「金融庁が仮想通貨の登場時から積極的に取り組みを始めていることはひしひしと感じていたが、コインチェック事件などもあって少しスタンスは落ちているように思っている。
ただしこのような大きな事件を繰り返し起こしてはならないので、慎重になることも大事だと私も考えている。それを踏まえても金融庁は積極的に仮想通貨への取り組みを検討していると考えている。
一方で『税』の内容では国税が足を引っ張ってしまっているように感じている。麻生大臣がどちらも監督している状況ではあるが、金融庁が推進して国税が足を引っ張ってと、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるように思える。

もちろん国税としての『税の理論』だけで考えれば仮想通貨に様々な問題があることも納得できるのだが、日本の将来に関わる仮想通貨を税の理論だけで語ってはいけないのだと思う。税が国民を守るわけではなく、経済についていくのが税である。

私自身も国会の中で仮想通貨の税制については追求していきたいと考えている。今もカジノ税制問題が語られているが、カジノ所得は『一時所得』として扱われるという話が出ている。これは最高税率が20数%という話なのだから、仮想通貨は相変わらず雑所得として最高税率50%超というのは不公平だと強く感じている。

それ以外にも仮想通貨の税制については様々な論点があるが、まずは雑所得である部分は変えていかなければならない。」と述べていた。

先行するFXも登場当初は税制問題が長く議論されてきた流れがあるが、国会議員でもある藤巻氏がこうした背景も踏まえて、積極的に仮想通貨の税制を議論すべきと語ったことは仮想通貨への投資を行う者としては非常に関心のある内容であると言えるだろう。

各人の総括

非常に興味深い話題が繰り広げられたセッションとなったが、最後のまとめとしてそれぞれの立場からの総括が語られた。
池水氏「仮想通貨に関しては偉そうなことは述べられないが、今後決済領域でさらに伸びてくると大変便利になってくると思っている。ただしそこまでにはまだまだ時間がかかるであろう。
それまでの間、自分は守りも考えるタイプであるので、リスクファクターの違うゴールドなどにも、少しだけでも投資先を振り分けるといったことも考えてもらえると良いと思う」

尾河氏「お金全体の話で言えば、世の中キャッシュレス化が進んで来ている。タクシーのキャッシュレスでの先払いなどは東京でも見かけるようになった。すでに中国では結婚式に行ったときにお祝い金もウィーチャットペイで支払う例も出てきているのだという。
個人的には『それってどうなの?』と思うところもあり、日本の文化を考えてもキャッシュレス100%とはならないだろうと思っている。ただ国も目標としている8割のキャッシュレス化にはなるかもしれない。
そのキャッシュレスの一つの手段として仮想通貨が入ってくる可能性もあると思う。
今はまだ決済手段としてビットコインだけで見たら課題が多いが、これから色々な仮想通貨が出てくる中で、そういった課題も解決されてくる時代もいずれくると思っている。
それらを支えるブロックチェーン技術も大事であり、管理者のいる・いないというものもあれば、国が主体のもの、企業が主体のもの、様々なものが登場してきている。
これらにまずは興味を持ってもらいたい。
資産運用先としてはまだ不安な部分もあるが、興味を持って試してみるというのが重要だと思う。
これだけ変化の激しい世の中であるので、柔軟な考えを持つことが大事なのだと思う。」

藤巻氏「私の著作は過激なタイトルが多いと言われるが、事態はもっと過激になってきているから仕方ない。私のような長年金融の世界に生きてきた人間にとってとんでもない状況だと感じている。
今の政策は異次元なもので、国会議員としては国民の皆さまを思えばこの予想は外れてくれるのが良いのだが、財政は最悪な状況を迎えつつある。
そのような中では少しでも準備を始めなければならないし、保険をかける意味でも、仮想通貨とドルが良いのではないかという話をさせていただいている。
本当の最悪の事態を想定すれば預金封鎖という話にまでなれば何もできなくなってしまう。
そういう最悪な事態まで想定しておけば、仮想通貨の口座だけでも作っておくことが大事なのではないか。自分自身のインフラを用意しておくべき状況かと思っている。政府が何とかしてくれる、という時代ではないと私は思っている。自身で準備をしておくべきだ。
口座を開き、本当に少ない金額で良いので練習だけはしておいていただきたい」

後半はロジャー・バー、ジハン・ウーのセッションも

上記のように2セッションだけでも大変濃厚で、誰しもが気になる内容が大いに語られたセッションとなった。
後半のセッションでは、一部で「ビットコインの神」と称される「ロジャー・バー」氏の基調講演や、世界のマイニングの第一人者であり、日本での公式なイベント登壇はおそらく初である「ジハン・ウー」氏のトークセッションも開催された。

後編ではこのまさしく世界の仮想通貨業界の中心的人物である2人が語った内容を中心に、世界では仮想通貨の何が焦点になっているのか?というポイントをご紹介したい。

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